ロキソニンテープ・モーラステープの子供への利用

ロキソニンテープ・モーラステープなどの子供への処方・副作用、子供でも使用できる湿布薬

健栄 つが駅前薬局 大原

肩こりや打撲、ねんざなどの痛みに広く使われるロキソニンテープやモーラステープ。
大人には馴染みのある外用薬ですが、「子供が痛がっているときにも貼っていいの?」「副作用はないの?」と悩む保護者の方も多いでしょう。
この記事では、ロキソニンテープ・モーラステープを子供に使用する際の安全性や副作用、注意点について「健栄 つが駅前薬局 薬局長の大原」がわかりやすく解説します。

ロキソニンテープ・モーラステープは子供に使っていい?

結論から言うと、ロキソニンテープもモーラステープも、基本的には子供(特に12歳未満)には使用が推奨されていません。

■ ロキソニンテープの場合
製品によっては「15歳未満は使用しないこと」と添付文書に記載があります。
子供は皮膚が薄く、薬剤の吸収率が高くなるため、有効成分が体内で過剰になるリスクがあるのです。

■ モーラステープの場合
ロキソニンテープよりもさらに注意が必要です。モーラステープは光線過敏症(光アレルギー)の副作用があり、紫外線に当たると貼った部分が赤くなったり、発疹・かゆみが出たりすることがあります。
子供は屋外で遊ぶことも多く、紫外線に触れる時間も長いため、使用によるトラブルが起きやすいとされています。

ロキソニンテープとは?成分と使い方の基本

ロキソニンテープは、鎮痛・抗炎症成分「ロキソプロフェンナトリウム」を含む外用薬です。痛みの原因である炎症を抑え、患部の腫れや熱感を軽減する効果があります。

飲み薬のロキソニン(ロキソプロフェン錠)と同じ有効成分ですが、経皮吸収型(貼るタイプ)なので、胃腸への負担が少ない点が特徴です。
そのため、肩こりや筋肉痛、関節痛、ねんざ、打撲など幅広く処方されます。

モーラステープとは?ロキソニンテープとの違い

モーラステープには、「ケトプロフェン」というNSAIDs系(非ステロイド性抗炎症薬)の成分が含まれています。

こちらも炎症や痛みを抑える効果がありますが、光過敏性(紫外線に反応して皮膚炎を起こす)という特有の副作用が知られています。

つまり、どちらも痛みを軽減するための外用薬ではありますが、モーラステープの方が炎症を抑える力(抗炎症作用)と痛みを和らげる力(鎮痛作用)が比較的強い一方で、紫外線に注意が必要な外用薬であると言えます。

子供に痛み止めの目的で湿布を使いたいときの代替方法

子供・小児でも利用できる湿布薬

では、「子供がねんざや打撲をしたけど、痛みをどうにかしてあげたい」
そんなときは、どうすべきなのでしょう。

まず以下の方法を試してみましょう。

1. 冷やす(アイシング)
ケガをしてから48時間以内の急性期の痛みであれば、48時間以内であれば、冷やすことで炎症を抑えられます。保冷剤をタオルで包んで10〜15分ほど、60分おきに冷却することが推奨されています。

参考:日本臨床整形外科学会

2. 湿布薬でも「子供OK」なものを選ぶ
ドラッグストア・薬局で販売されている湿布の中には、「小児でも使用可」と明記されている製品もあります。これらの製品についても、必ずパッケージの対象年齢と説明書きを確認し、大人の目の届く範囲で使ってください。

サロンパスA(久光製薬)
主成分:メチルサリチル酸メチル、メントール
特徴・注意点:比較的刺激が少なく、冷感タイプ。メントール感あり。小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用。

パテックス冷感(第一三共ヘルスケア)
主成分:l-メントール
特徴・注意点:鎮痛効果よりも“冷却効果”がメイン。打撲や軽いねんざなどに。小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用

トクホンエース(トクホン)
主成分:サリチル酸メチル、l-メントール
特徴・注意点:比較的マイルド。肌が弱い子はパッチテスト推奨。7歳未満は使用不可。

サリスターパップクール (テイコクファルマケア)
主成分:サリチル酸メチル少量+冷感成分
特徴・注意点:子供の皮膚刺激を抑えた処方。薬局で取り寄せ可能な場合も。小児に使用させる場合には、保護者の指導監督のもとに使用

3. 医師・薬剤師に相談する
ご不安な場合は病院や薬局で医師、薬剤師に相談をおすすめします。子供の年齢・体質・症状に合わせて安全な代替薬を提案いたします。
また、上記ご紹介のサロンパスには種類がいろいろあるので購入時には薬剤師に確認ください。適切な製品をご案内いたします。

まとめ:子供の痛みには「子供用」を選ぶのが基本

ロキソニンテープ・モーラステープは効果的な鎮痛薬ですが、子供の使用には向きません。
皮膚が薄く、吸収率が高い子供では、副作用や肌トラブルのリスクが高まるためです。

✅ 子供には「冷やす」「小児用湿布を使う」など代替手段を
✅ どうしても痛みが強い場合は医師へ相談

「大人が使っているから安全」というわけではありません。
子供の健康を守るためにも、医師・薬剤師のアドバイスを受けながら適切にケアしましょう。

<外部サイト参照リスト>
第一三共ヘルスケア:ロキソニンテープ添付文書
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/package_insert/pdf/loxonin-s_tape_1.pdf

久光製薬:モーラステープ添付文書
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054960

日本小児皮膚科学会「小児の皮膚外用薬使用に関する指針」
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/ADGL2024.pdf

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