中学生・高校生1人での病院薬局へのご来店について

中学生・高校生が1人で病院・薬局に行くときのポイントと知っておきたいルールと注意点

みずき薬局 市原店 西嶋

中学生や高校生になると、部活や通学中のケガ、風邪、頭痛などで、「子供ひとりで病院や薬局に行く」という場面が少しずつ増えてきます。
とはいえ、「保護者がいないと診てもらえないの?」「薬って買えるの?」など、わからないことも多いですよね。このコラムでは、中学生・高校生が1人で病院や薬局を利用するときの基本ルールや注意点を、みずき薬局 市原店 西嶋薬局長がわかりやすくまとめました。

中学生・高校生は1人で病院に行けるの?

結論から言うと、行くこと自体は可能です。
ただし、診療内容や年齢によっては保護者の同意や付き添いが必要になることがあります。
事前に訪問予定の病院や薬局に電話などで確認をしておくことがおすすめです。

● 初診・外科的処置は「保護者同意」が原則

たとえば、初めて行く病院で診察や処置(注射・縫合など)を行う場合、多くの医療機関では保護者の署名や同意書を求めます。中学生・高校生はまだ法律上「未成年(18歳未満)」なので、医療行為に対する同意権が制限されているためです。

ただし、

  1. 軽い風邪や腹痛などの一般的な受診
  2. 継続的な通院(再診)
  3. 学校でケガをして応急処置を受ける場合

などは、保護者がいなくても受診可能なケースが多いです。

薬局での対応:中学生・高校生だけでも薬を買える?

中学生・高校生1人で購入できるお薬

薬局では、市販薬(OTC医薬品)なら基本的に中学生・高校生でも保護者の同伴なしで購入可能です。ただし、薬の種類によって取り扱いが異なります。

● 購入できる薬の種類

  1. 第3類医薬品:誰でも購入可(例:ビタミン剤、整腸薬など)
  2. 第2類医薬品:中学生以上で多くの薬局で購入可(風邪薬、鎮痛薬など)
  3. 第1類医薬品:薬剤師の説明が必須。原則18歳以上が対象(ロキソニンS、ガスター10など)

たとえば、ロキソニンS(第1類医薬品)は薬剤師の説明が必要なため、中学生が一人で購入するのは難しいことが多いです。

一方、アセトアミノフェンを有効成分とする第2類医薬品の解熱鎮痛薬である、タイレノールA(第2類)などは、薬剤師や登録販売者が「症状をきちんと説明できる」と判断すれば、市販薬として薬局でも購入できることもあります。

※購入可能な医薬品であっても、安全に薬を使っていただくため、年齢や購入数についていくつか確認させていただく場合があります。

医療費の支払いとマイナ保険証・資格確認書の扱い

中学生・高校生1人での病院・薬局来店時に持参いただきたいマイナ保険証

中学生・高校生が一人で病院に行くときに忘れてはいけないのが、マイナ保険証・資格確認書の持参です。(※現在お持ちの健康保険証については、令和7年12月1日まで使用することができます)
これらの持参がないと、医療費が全額自己負担(10割)になってしまいます。

● 必ず持っていくもの

  • 「マイナ保険証」または「資格確認書」
  • 医療証(自治体発行の医療費助成証など)
  • お金(診察料・薬代)

もし家に「子ども医療証」がある地域なら、窓口で提示することで無料または一部負担のみで受診できます。支払いは現金が基本ですが、最近ではキャッシュレス対応の薬局や病院も増えています。事前に訪問先の病院や薬局の支払い方法などは確認しておきましょう。

処方箋の受け取り方と薬局での流れ

病院で薬が必要と判断されると、「処方箋(しょほうせん)」が発行されます。
中高生が一人で行く場合でも、流れは大人と同じです。

  1. 病院で処方箋を受け取る
  2. 処方箋を薬局に持っていく(多くは4日以内に提出)
  3. 薬剤師に名前と症状を伝える
  4. 薬の説明を受け、支払いをして受け取る

ただし、薬の副作用や飲み方をきちんと理解していないと誤用のリスクもあるため、薬剤師からの説明をしっかりと受け正しく服用するようにしましょう。ご家族でもう一度確認してあげてください。

医師・薬剤師に聞いておきたいこと・チェックリスト

中学生・高校生が一人で受診・購入するとき、次のような質問をしておくとトラブルを防げます。

  • この薬は何のための薬ですか?
  • 食前・食後どちらで飲むの?
  • 眠くなる?授業中の支障は?
  • 他の薬(市販薬やサプリ)と一緒に飲んでいい?
  • 飲み忘れたときはどうする?

病院や薬局のスタッフは、質問に答えるのも仕事です。
恥ずかしがらずに聞く姿勢を持つことが、自分の健康を守る第一歩です。

緊急時や夜間の対応

保護者が不在の時、夜や休日に発熱・けがをしたとき、どうすればいいのかも知っておきましょう。

1.#7119(救急安心センター)に電話
→ 症状を伝えると、救急車を呼ぶべきかどうかを教えてくれます。

2.薬局で相談できる「薬剤師LINE」や自治体の健康相談窓口も便利。
→LINEの夜間休日返信を対応していない店舗もあるので、電話など、夜間休日も連絡相談ができる問い合わせ先へ連絡をすることをおすすめしています。当店舗でも緊急時のお問い合わせはお電話にてお承りしております。

また、学校経由で受診が必要な場合は、学校の先生や養護教諭に連絡すればスムーズです。

まとめ:自分の健康を守る第一歩を踏み出そう

中学生・高校生でも、大人の同伴なく1人で病院や薬局を利用することは十分可能です。
ただし、「医療行為の同意」や「購入できる薬の種類」などにはルールがあるため、最初は保護者と確認しながら少しずつ慣れていくのが理想です。

大切なのは、困ったときに自分で相談できる力を身につけること。医師や薬剤師はあなたの味方です。わからないことは遠慮せずに聞きましょう。

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