「かかりつけ医」という言葉はよく聞くようになりましたが、「かかりつけ薬局」を意識して選んでいる方はまだ少ないかもしれません。薬局はどこでも同じと思われがちですが、特定の薬局を継続して利用することには、健康管理の面で大きなメリットがあります。
本記事では、健栄の薬局「みずき薬局 星久喜店」の薬剤師が、かかりつけ薬局を持つことのメリットや上手な活用方法についてわかりやすく解説します。
「かかりつけ薬局」とは何か

かかりつけ薬局とは、特定の薬局を継続的に利用し、薬剤師に自分の健康状態や服薬情報を継続的に把握してもらえる薬局のことです。
2015年に厚生労働省が策定した「患者のための薬局ビジョン」の中で、かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師の普及が明確に推進されるようになりました。複数の医療機関を受診する方が増え、薬の飲み合わせや重複処方のリスクが高まっている現代において、薬の専門家が患者さんの情報を一元管理する重要性が高まっています。
かかりつけ薬局は、処方せんを持って行くだけの場所ではありません。健康に関する身近な相談窓口として、日常的に活用できる存在です。
かかりつけ薬局を持つ5つのメリット
1. 服薬情報を一元管理してもらえる
複数の病院やクリニックを受診している場合、それぞれの医療機関から異なる薬が処方されることがあります。かかりつけ薬局を一つに決めることで、すべての処方薬・市販薬・サプリメントを含めた服薬情報をまとめて管理してもらえます。
これにより、薬の飲み合わせ(相互作用)や成分の重複をチェックしてもらいやすくなります。例えば、内科と整形外科で同じ成分の鎮痛剤が処方されていた場合や、市販薬と処方薬の成分が重なっていた場合なども確認できます。
2. アレルギーや副作用歴を把握してもらえる
過去に薬でアレルギー反応が出た、特定の成分で副作用が出たことがあるといった情報は、新しい薬を処方される際に非常に重要です。かかりつけ薬局があれば、こうした情報を薬剤師が把握したうえで対応してもらえます。
特に、急な受診や救急対応が必要な場面では、アレルギー歴や服薬情報がすぐに確認できることが安全な治療につながります。
3. 気軽に相談できる関係が築ける
同じ薬剤師に継続して対応してもらうことで、信頼関係が生まれます。「こんな些細なことを聞いていいのか」と遠慮せずに、日常の体調の変化や薬への疑問を相談しやすくなります。
「最近薬を飲み忘れることが増えた」「この薬を飲むと眠気が強くて困っている」といった日常的な悩みも、かかりつけの薬剤師であれば状況を把握したうえで的確にアドバイスしてもらいやすくなります。
4. 残薬の調整をスムーズに依頼できる
薬が余っているのに次の処方が出てしまい、薬が溜まってしまう「残薬問題」は多くの方が経験することです。かかりつけ薬局があれば、残薬の状況を継続的に把握してもらえるため、処方日数の調整や医師への情報共有をスムーズに行ってもらいやすくなります。
残薬を放置すると、保管中の品質劣化・誤服用・医療費の無駄につながることもあります。かかりつけ薬局を通じて残薬を適切に管理することは、安全な服薬と医療費の適正化にもつながります。
5. 夜間・休日の相談窓口として機能する
かかりつけ薬局によっては、電話相談や夜間・休日対応の体制を整えている場合があります。「深夜に子どもが薬を誤飲してしまった」「休日に急に薬がなくなってしまった」といった緊急時に、頼れる薬局の連絡先を知っておくことは大きな安心につながります。
夜間・休日に薬局へ相談するには

急な体調変化や薬に関するトラブルは、平日の診療時間内に起きるとは限りません。夜間・休日に薬局へ相談したい場合の方法をご紹介します。
1.かかりつけ薬局の緊急連絡先を確認しておく
薬局によっては、閉局後でも緊急の相談に対応できる連絡先を案内している薬局があります。普段からかかりつけの薬剤師に「緊急時の連絡はどうすればいいか」を確認しておくと安心です。
2.夜間・休日対応の薬局を調べておく
地域によっては、夜間・休日でも開いている薬局や、輪番制で対応する薬局があります。お住まいの自治体の公式サイトや、かかりつけ薬局で事前に確認しておきましょう。
3.#8000・#7119などの相談窓口を活用する
子どもの急な体調変化には「小児救急電話相談(#8000)」、大人の急病には「救急安心センター(#7119)」への相談も有効です。薬の誤飲や過量服用などの中毒事故が疑われる場合は、「中毒110番」(公益財団法人日本中毒情報センター)も利用できます。
4.電子お薬手帳を活用する
服薬情報は紙のお薬手帳でも共有できますが、電子お薬手帳を活用すると、外出先や夜間・休日など手帳を持っていない場合でも、現在の服薬状況を確認しやすくなります。スマートフォンで手軽に管理できるため、必要に応じてかかりつけ薬局で導入を相談してみましょう。
残薬調整の上手な頼み方
薬が余ってきたと感じたら、次のような伝え方で薬剤師に相談してみましょう。
1.残薬があることを正直に伝える
「飲み忘れが続いて薬が余っています」「前回の薬がまだ残っているので、今回は少なく出してもらえますか」と、率直に伝えて問題ありません。残薬があることを隠して新たな薬をもらい続けると、薬が溜まる一方です。薬剤師は残薬の相談に慣れているため、気軽に話しかけてください。
2.残薬を薬局に持参する
実際に余っている薬を持参すると、種類・数量・保管状態を薬剤師が確認したうえで対応できます。残薬の状態によっては、継続使用が可能かどうかの判断も行ってもらえます。
3.飲み忘れの理由を伝える
飲み忘れが続いている場合、その理由によって対策が変わります。「錠剤が大きくて飲みにくい」「1日3回が守れない」「副作用が気になって自己判断でやめていた」など、正直に伝えることで、薬の形状変更や服用回数の見直しを医師に提案してもらえることがあります。
4.医師との情報共有を依頼する
薬剤師は、残薬状況や服薬に関する問題を医師に報告・情報共有する役割も担っています。「次の受診時に先生に伝えてもらえますか」と依頼することで、処方内容の見直しにつながることもあります。
かかりつけ薬局の選び方
かかりつけ薬局を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみてください。
1.自宅や職場から通いやすい場所にある
継続して利用するためには、アクセスのしやすさが大切です。受診帰りに立ち寄りやすい場所や、日常の動線上にある薬局を選ぶと続けやすくなります。
2.相談しやすい雰囲気がある
薬剤師との相性や、相談しやすい環境かどうかも重要なポイントです。はじめて利用した際に「話しやすい」「丁寧に対応してもらえた」と感じた薬局は、かかりつけとして長く付き合いやすい薬局といえます。
3.複数の医療機関の処方せんに対応している
特定の病院の処方せんしか受け付けない薬局もあります。複数の医療機関を利用する場合は、どの処方せんにも対応できる薬局を選ぶことが一元管理につながります。
薬局は「もらう場所」から「相談する場所」へ

薬局は処方せんを持って薬をもらうだけの場所、と思っている方はまだ多いかもしれません。しかし、かかりつけ薬局を持つことで、薬局は日常の健康を支えるパートナーへと変わります。
飲み合わせの不安、副作用への疑問、残薬の処理、夜間の緊急相談——こうしたさまざまな場面で、かかりつけ薬局は力を発揮します。
まだかかりつけ薬局を決めていない方は、ぜひ近くの薬局に「かかりつけとしてお願いしたい」と声をかけてみてください。
健栄の薬局でも、服薬管理や残薬調整、夜間の相談体制など、かかりつけ薬局としてのサポートを行っています。
かかりつけ薬局について気になることがあれば、みずき薬局 星久喜店をはじめ、お近くの健栄の薬局へお気軽にご相談ください。日常の健康管理からお薬の不安まで、薬剤師が継続的にサポートいたします。
<外部サイト参照リスト>
患者のための薬局ビジョン概要(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/gaiyou_1.pdf
みずき薬局 星久喜店
薬剤師
袖山