冬季うつ、ご存じですか?日照時間と健康の関係性を知って冬季うつを対策
2026.02.02

冬季うつ、ご存じですか?日照時間と健康の関係性を知って冬季うつを対策

薬剤師 黒原

こんにちは!千葉県四街道市山梨のみずき薬局 四街道店の薬剤師 黒原です。     

寒さが続くこの時期、「朝、動き出すまでは時間がかかる」「体が重くて、やる気が出ない日が増えた」そんな変化を感じていませんか。

みずき薬局 四街道店でも、この時期になると、ご高齢の方ご本人や、ご家族から「昼間うとうとすることが増えた」「夜は早く眠くなるのに、朝はなかなか動き出せない」といった声を多く聞きます。

その不調、単なる「寒さ」や「年齢」のせいではなく、「冬期うつ(季節性情動障害)」が関係している可能性があります。

今回は、冬季うつの特徴と、日常で無理なくできる対策についてお話しします。

冬季うつとは

「冬季うつ」とは、「季節性情動障害(SAD)」とも呼ばれる症状のひとつ。その名の通り、秋から冬にかけて症状が現れ、春になって暖かくなると回復するというサイクルを繰り返すのが特徴です。

20代~30代の女性に多く見られますが、年代・性別を問わず、誰にでも起こる可能性があります。

「うつ」といっても、一般的なうつとは症状が真逆といっても過言ではないほど異なるのが、冬季うつの特徴です。

その不調、冬季うつかも?冬季の特徴的な症状

その不調、冬季うつかも?冬季の特徴的な症状

一般的な「うつ」は、気分の落ち込みや気力低下から「食欲不振」や「不眠」といった症状がよく見られます。

一方、冬季うつでは、気分の落ち込みや気力低下が見られる点は共通しているものの、一般的なうつとは真逆ともいえる、以下のような症状が特徴的です。

  • 過眠(眠りすぎ)
    寝る時間が極端に増加するほか、寝ても寝ても眠気が収まらず、日中もうとうとする。
  • 過食(食べすぎ)
    食欲が旺盛になり、特に白米やパン、チョコレートなど、炭水化物や糖質が欲しくなる傾向があります。午後から夜にかけて強く出るのが特徴です。
  • 体重増加
    過食の影響や気力が低下することでの活動量の減少により体重が増加する。

「眠る・食べる」が増えるのが、冬季うつの大きな特徴です。

冬季うつの原因は日照時間に関係がある?

冬季うつの原因は日照時間に関係がある?

なぜ、冬になるとこのような症状が現れるのでしょうか。

有力な原因として考えられているのが、「日照時間の不足」による脳内物質の変化です。これには「セロトニン」と「メラトニン」という2つの物質が深く関わっています。

冬季うつの原因1:幸せホルモン「セロトニン」の不足

セロトニンは、気持ちを安定させる働きを持つ物質で、別名「幸せホルモン」とも呼ばれます。このセロトニンは、太陽の光を浴びることで分泌が促進されます。
しかし、冬は日照時間が短く、日差しも弱くなるうえ、外出も減りがちです。結果、セロトニンが不足し、気分の落ち込みやイライラ、甘いものを欲しやすくなるといった変化が起こることがあります。

冬季うつの原因2:睡眠リズムを司る「メラトニン」の乱れ

夜になると分泌されるのが、「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンです。メラトニンは、自然な眠りを促す働きを持つ物質で、体内時計を整える役割があり、睡眠のリズムと深く関係しています。
このメラトニンは昼間分泌されたセロトニンを原料とするため、昼間に十分なセロトニンが作られないと、夜のメラトニンも不足します。

冬に眠気や生活リズムの乱れを感じやすいのは、こうした体の仕組みが関係していると考えられています。

冬に負けない!日常でできる冬季うつ対策

冬に負けない!日常でできる冬季うつ対策

冬季うつの原因が「日照不足」と「セロトニンの不足」にあるとわかれば、対策はシンプルです。

冬季うつ対策1:朝の光を浴びて体内時計をリセット

もっとも効果的でシンプルな対策は、太陽の光を浴びること。曇りや雨の日でも、屋外の光は室内の照明よりもはるかに強い照度があります。朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけるとよいですね。外を軽く散歩するのもおすすめです。

冬季うつ対策2:適度に運動する

セロトニンを放出するセロトニン神経は、適度な運動、特にペダリング運動やヨガの呼吸法、ダンスなどリズム性のある運動で活性化するという実験結果※が出ています。
ヨガやダンスは家の中でもできますが、外での運動なら日光を浴びることもできて一石二鳥。ぜひ毎日の生活に運動を取り入れてみてください。

ご家族の変化に気づくことも、大切なケアのひとつです

冬季うつは、若い世代だけのものではありません。高齢者の方にも、冬特有の体調や気分の変化として現れることがあります

たとえば、「冬になると一日中うとうとしている」「寒くなってから外出を控えるようになった」「以前よりも甘いものを好むようになった」
こうした変化は、「年のせい」「寒いから仕方ない」と見過ごされがちですが、冬季うつが関係している場合もあります。ご家族が小さな変化に気づくこと自体が、大切な支えになります。

不安を感じたら、四街道市の調剤薬局、みずき薬局 四街道店にご相談を。

対策をしても改善が見られない場合は、別の病気や体調不良が隠れていることもあります。みずき薬局四街道店では、ご本人だけでなく、ご家族からのご相談もお受けしています。「これって年齢のせい?」「一度、受診したほうがいい?」そんな時は、お薬をとりに来た際などに、お気軽にお声がけください。

地域の皆さまが安心して冬を過ごせるよう、経験豊富な薬剤師がいつでもお手伝いします。

参考文献:
リズム性運動とセロトニン神経:ペダリング運動の影響(※)
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/107579/S09138137-33-P027.pdf

季節性感情障害(SAD)(済生会)
https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/seasonal_affective_disorder/

セロトニンの増加が心身に及ぼす効果(医療法人社団平成医会)
https://heisei-ikai.or.jp/column/serotonin/

メラトニン(厚生労働省eJIM)
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c03/25.html

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