お弁当での食中毒予防の鉄則①:「菌をつけない」

「食中毒予防」お弁当が心配な季節…「手洗い・消毒」だけじゃない!家庭でできる食中毒予防の3つの鉄則

コスモス薬局 東船橋店

気温が上がってくると、心配なのが食中毒。

食中毒といえば、飲食店や学校給食などでのトラブルがニュースになりやすいですが、実は家庭でも多く発生しています。

特に、作ってから食べるまでに時間が空く「お弁当」は、細菌にとって絶好の繁殖場所。作る前の手洗いや食器消毒はもちろん、おかず選びや詰め方にも工夫が必要です。

今回は、健栄の薬局「コスモス薬局東船橋店」の薬剤師が、薬剤師の視点から、お弁当作りで実践したい食中毒予防の「3つの鉄則」をわかりやすく解説します。

お弁当での食中毒予防の鉄則①:「菌をつけない」

お弁当での食中毒予防の鉄則①:「菌をつけない」

食中毒予防の基本は、原因となる細菌やウイルスを食材に「付着させない」こと。

私たちは日常的にさまざまなものに触れており、手には目に見えない菌が無数に存在します。

●基本の「手洗い」を再確認する

「手洗いは当然やっている」と思われるかもしれませんが、指先、爪の間、親指の付け根、手首まで意識できているでしょうか。

忙しい朝のお弁当づくりでは、ついつい手洗いもぱぱっと済ませてしまいがち。改めて、基本の手洗いができているか確認しましょう。

●素手での盛り付けを避ける

どれだけ念入りに手を洗っても、皮膚の常在菌(黄色ブドウ球菌など)をゼロにすることはできません。お弁当の盛り付けには、清潔な菜箸(さいばし)や使い捨て手袋を活用しましょう。

おにぎりを作る際も、素手ではなくラップを使用するのがおすすめです。

●調理器具の二次汚染を防ぐ

まな板や包丁を介して、生肉の菌が加熱不要な生野菜や果物に移ってしまう「二次汚染」にも注意が必要です。

理想は、肉用・野菜用で器具を分けること。

難しい場合は、「まず野菜を切り、最後に肉を切る」など順番を工夫したり、肉を切るたびに熱湯や除菌スプレーでリセットしたりして、菌の付着を防ぎましょう。

お弁当での食中毒予防の鉄則②:「菌をやっつける」

お弁当での食中毒予防の鉄則②:「菌をやっつける」

もし菌が付着してしまっても、食べる前に死滅させれば食中毒のリスクは軽減できます。

●中心部までしっかり加熱する

多くの食中毒菌は熱に弱い性質を持っています。

一般的な加熱の目安は、食材の中心部が75℃で1分間以上。中まで火が通りやすいよう、おかずを小さめにカットしたり、厚みを均一にしたりする工夫が有効です。

●前日の残り物は必ず再加熱を

前日残ったおかずをお弁当に入れる場合は、電子レンジなどで熱々になるくらいまでの再加熱を徹底してください。

「昨晩しっかり火を通したから大丈夫」という油断は禁物です。調理後に冷める過程や冷蔵庫内でも、わずかな菌が活動している可能性があります。

●器具の「消毒」をルーティンにする

食材だけでなく、お弁当箱そのものの除菌も大切です。

洗った後にしっかり乾燥させるのはもちろん、週に一度は酸素系漂白剤での除菌や、熱湯消毒を行うと安心です。パッキンも分解して洗いましょう。

お弁当での食中毒予防の鉄則③:「菌を増やさない」

お弁当での食中毒予防の鉄則③:「菌を増やさない」

密閉されたお弁当は、高温多湿で菌が増えやすい環境。菌が増えやすい条件を作らない工夫も必要です。

食中毒予防①:水分の少ないおかずを選ぶ

湿度が高いと細菌の繁殖が活発になるため、お弁当の水分に注意しましょう。

おかずは、焼き物や揚げ物など水分が少ないものがおすすめ。

卵焼きやゆで卵は半熟にせず、しっかり火を通して水分をとばしましょう。

水分が多い生野菜や果物は、この時期避けたほうが無難です。持っていくのであれば、ごはんやおかずとは別の容器に入れるようにしましょう。

食中毒予防②:冷ましてからフタをする

温かいうちにフタをすると、お弁当箱の中に蒸気がこもり、結露が発生します。この水分と適度な温度が、菌にとって最高の培養液に…。

おかずやごはんがしっかり冷めたのを確認してからフタをするように徹底してください。

食中毒予防③:保冷剤・保冷バッグを活用する

多くの菌は10℃〜65℃の範囲で活発に増殖します。お弁当を持ち運ぶ際は、保冷剤と保冷バッグを併用し、できるだけ低い温度を維持しましょう。

学校や職場に持っていく場合、可能であれば冷蔵庫に入れて食べる時間まで保管しておくと安心です。

食中毒予防を徹底して、家族の健康を守りましょう

食中毒は、日々徹底していれば、かなりの確率で予防できます。ぜひご家庭内でも意識してください。

私たち薬剤師は、薬のプロであると同時に、衛生管理や公衆衛生の専門家でもあります。

「家族が下痢や嘔吐をしてしまったけれど、どう対処すべき?」「除菌剤はどう選べばいい?」といった疑問があれば、お近くの健栄の薬局へご相談ください。

なお、食中毒が疑われる場合は、自己判断で下痢止めを使用することは避けましょう。下痢は体内の有害な物質を排出しようとする防御反応であり、これを抑えてしまうことで、かえって症状が悪化する可能性があります。食中毒が疑われる際には、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

<参考文献>

お弁当づくりによる食中毒を予防するために(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/lunchbox.html

お弁当をつくるときに、どのようなことに気を付ければよいですか?【食品安全FAQ】(東京都保健医療局)

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/chudoku/chudoku11

衛生的な手洗い(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf02.pdf

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