皮膚の乾燥・かゆみ

勝田台薬局

当薬局を運営する㈱健栄では今年度から「健康コラム」を配信しています。
11月は勝田台薬局の薬局長が、「皮膚の乾燥・かゆみ」について発信いたします。

皮膚が乾燥し、かゆみが生じる

寒い季節になると、多くの人がこの不快な症状に悩まされます。
このかゆみというのはただの一時的な不快さだけでなく、
繰り返し起こることで日常生活にも影響を与えかねません。
そこで、今回は肌のかゆみに隠されたストーリーを解き明かし、
冬の乾燥に立ち向かう方法をご提案いたします。

なぜ乾燥すると痒みを感じやすくなるのでしょうか?

この原因の一つは、かゆみ神経が伸びてしまうことです。
空気が乾燥すると肌も乾燥します。乾燥した肌は、表皮の一番外側の角層に細かなひび割れができて
しまっています。角層は外からの刺激や異物の侵入から体を守るバリア機能を果たしていますが、乾
燥してひび割れてしまった角層はバリアとしての役割を十分に果たせなくなり、また、乾燥して皮膚か
ら水分などが抜け出すと、皮膚表面近くまでかゆみ神経が伸びてしまい、わずかな刺激でもかゆみを
感じやすい状態になってしまいます。

そこで、かゆみ神経を抑える手段の1つに「保湿をする」ことがあります。
この時に使用する「保湿剤」についてですが、この働きには大きく分けて
① 皮膚の水分が逃げないようにふたをする (代表的なものはワセリン製剤)
② 皮膚に浸透して水分をたくわえる(代表的なものは、ヘパリン類似物質製剤や尿素製剤)
の2種類があります。

保湿剤には適切な塗布量があり、塗布量が少なければ、期待する効果が得られません。
目安となるのは、人差し指の先端から第一関節までの量で、1FTU(Finger Tip Unit)と呼ばれてい
ます。この量が手のひら2枚分の面積に塗る適量です。
皮膚は摩擦に弱いので、手のひらでやさしく丁寧に擦りこまないように塗ります。
塗布する回数ですが、1日2回(朝と夜)は最低でも塗りましょう。
夜は特にお風呂上がりが効果的です。洗面所など目につくところに保湿剤を置いて、塗り忘れを防止
しましょう。

そして、かゆみ自体を抑えることも大切です。
濡れタオルなどで冷やす程度でも落ち着くことがありますのでお試しください。
また、これからの季節はお部屋を適度な湿度に保つ事で乾燥そのものを防ぐことも重要となりますの
で、加湿器などを上手に使っていきましょう。

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勝田台薬局

薬局長