爪は健康状態を映す「鏡」

爪でわかる健康状態。縦線、割れ、白い点…受診の目安は?

勝田台薬局 島田
目次

爪の縦線や白い点、割れやすさなど、爪の変化が気になることはありませんか。爪は、体調や栄養状態の変化が現れることがあるため、健康状態を知る手がかりのひとつとされています。

今回は、健栄の薬局「勝田台薬局」の薬剤師が、爪に現れる変化の見方と日常でできるケアの方法、医療機関へ相談した方がよい目安について解説します。

爪は健康状態を映す「鏡」

爪は健康状態を映す「鏡」

爪はケラチンというたんぱく質からできており、根元にある「爪母(そうぼ)」と呼ばれる部分で新しい細胞がつくられ、少しずつ伸びていきます。爪が完全に生え変わるまでには、手の爪で約6ヵ月、足の爪では約1年~1年半かかると言われています。

この成長の過程で、栄養不足や体の内部の不調、外部からのダメージなどがあると、爪の形や色、表面の様子に変化として現れることがあります。

爪の変化のすべてが病気のサインというわけではありませんが、気になる変化が続く場合は、体調を見直すサインとして受け取ることが大切です。

爪の健康サイン①:縦線(縦筋)が入っている

爪に縦方向の線が入る状態を「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」と呼びます。加齢とともに現れやすく、特に50代頃から増えるとされています。爪をつくる細胞の働きが年齢とともに変化することで生じるもので、多くの場合は自然な変化です。

ただし、急に縦線が目立つようになった場合や、黒や茶色の線が爪の根元から先まで続く場合は、皮膚科で確認してもらうことをおすすめします。

爪の健康サイン②:白い点がある

爪に白い点や斑点が現れる状態を「爪白斑(そうはくはん)」と呼びます。多くの場合、爪への軽い衝撃や圧迫が原因であり、特に治療の必要はありません。爪が伸びるにつれて自然に消えていきます。

ただし、白い部分が爪全体に広がっている場合や、点ではなく帯状に広がっている場合は、栄養状態や全身の病気が関係することもあるため、医療機関で相談すると安心です。

爪の健康サイン③:爪が割れる、欠ける

爪が縦に割れる状態は「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」、爪先が層状に剥がれる、いわゆる二枚爪は「爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)」と呼ばれます。

二枚爪は、乾燥や水仕事、除光液の頻繁な使用、爪先に繰り返し加わる刺激などによって起こりやすくなります。

特定の爪だけが繰り返し縦に割れる場合や、根元から変形している場合は、皮膚科で相談しましょう。。

爪の健康サイン④:スプーン状に反り返っている

爪の中央がへこみ、スプーンのように反り返る状態を「匙状爪(さじじょうつめ)」と呼びます。深爪や、仕事・家事などで指先に繰り返し力が加わることが原因になる場合があるほか、鉄欠乏性貧血との関連も知られています。

複数の爪に変化がある場合や、疲れやすさ、息切れ、めまいなどを伴う場合は、医療機関へ相談しましょう。

爪の健康サイン⑤:爪が黄色くなっている

爪全体が黄色や白っぽく濁り、厚くなったり崩れやすくなったりしている場合は、「爪白癬(つめはくせん)」、いわゆる爪の水虫の可能性があります。白癬菌というカビの一種が爪に感染して起こり、爪が黄色や白く濁り、厚くなったり崩れやすくなったりします。

爪白癬は自然に改善しにくい病気ですが、ほかの爪の病気でも似た変化が現れます。見た目だけでは判断できないため、皮膚科で白癬菌の有無を確認してもらいましょう。

爪の健康サイン⑥:爪の表面に横線、でこぼこがある

爪に横方向の線が入る状態を「ボー線」と呼びます。高熱が出る感染症や大きな手術、強いストレスなど、体に大きな負担がかかった時期に、爪の成長が一時的に止まることで生じます。

不調があった2〜3ヵ月後に現れることが多く、過去の体の負担の記録とも言えます。

爪の健康サイン⑦:爪が青紫色、白っぽくなっている

爪の色が青紫色になる場合は、血液中の酸素が不足しているサインである可能性があります。寒冷時に一時的に起こることもありますが、安静にしている状態でも色が変わる場合は、心臓や肺の機能に関わる問題が考えられるため注意が必要です。

また、爪全体が白っぽくなる場合は、肝臓や腎臓の病気との関連が指摘されています。

ただし、爪の色だけで病気を判断することはできません。急な変化や息切れ、むくみなどの症状を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

爪の変化が気になるとき、病院を受診するべき目安とは

次のような変化が見られる場合は、早めに医療機関での受診を検討しましょう。

爪の色や厚みに異常がある

爪の縦線が黒や茶色に変色している、爪が黄色く変色して厚みが増している(爪水虫の疑い)、爪全体が白っぽくなるといった変化が見られる場合です。また、爪が青紫色になり、安静にしていても色が戻らないときも注意が必要です。

爪の形や状態に異常がある

スプーン状に反り返っている(貧血の疑い)、爪の周りが赤く腫れている、または痛みがあるといった状態が該当します。

変化が広範囲に及んでいる

複数の爪に同時に変形が見られる場合や、体の不調とともに複数の爪に変化が現れたときも受診の目安になります。

気になる変化に気づいた時点で専門医に相談することが、早期対策への第一歩です。

日常でできる爪のケア

日常でできる爪のケア

爪の変化を予防・改善するために、日常生活のなかでできるケアがあります。

栄養バランスを整える

爪の材料となるたんぱく質をしっかり摂ることが基本です。肉、魚、卵、大豆製品などを意識して食事に取り入れましょう。また、鉄分や亜鉛、ビタミンB群、ビオチンなども爪の健康に関わる栄養素です。偏った食事が続いている場合は、食生活の見直しを行いましょう。

乾燥から爪を守る

乾燥は爪が割れる、欠けるといったトラブルの大きな原因です。ハンドクリームを手全体になじませる際に爪の周囲にも塗る習慣をつけることで、乾燥による爪トラブルを防ぐ助けになります。また、水仕事の際はゴム手袋を使用し、爪への直接的なダメージを減らすことも有効です。

爪の長さと形を整える

爪を短く切りすぎたり、端を深く切り込む「深爪」は爪周囲の炎症や巻き爪の原因になることがあります。爪の白い部分が少し残る程度の長さで、端を切り落とさずなだらかに整えるスクエアオフ(四角に近い形)を意識しましょう。

爪の変化、薬局でも相談できます

爪の変化、薬局でも相談できます

「爪が割れやすくなった」「白い点が気になる」「爪の色がいつもと違う」といった変化に気づくと、不安になることがあります。

爪の変化には、乾燥や外部からの刺激が関係している場合もあれば、栄養状態や体調の変化が影響している場合もあります。栄養面が気になる方は、ビオチンや鉄、亜鉛などのサプリメントについて薬剤師にご相談ください。服用中のお薬や持病との関係も踏まえながら、一人ひとりに合わせてアドバイスいたします。

なお、ビオチンを含むサプリメントは、一部の血液検査の結果に影響することがあります。使用している場合は、受診時に医師や薬剤師へ伝えましょう。

また、「勝田台薬局」をはじめとした健栄の薬局では、「この爪の変化は様子を見ても大丈夫?」「病院を受診した方がいい?」といったご相談もお受けしています。処方箋がなくてもご利用いただけます。気になる症状がある場合はお気軽にお声がけください。

爪を見る習慣が、健康管理の第一歩

爪の縦線や割れ、白い点など日常的に目に入る爪の変化は、体が発しているサインのひとつです。すべてが病気のサインとは限りませんが、変化を見逃さず、気になることがあれば早めに対処することが大切です。

爪を観察する習慣を日常に取り入れ、体の変化に早めに気づくきっかけにしていきましょう。

<参考文献>

爪の病気(日本皮膚科学会)
https://qa.dermatol.or.jp/qa38/

この記事をシェアする

勝田台薬局

薬剤師

島田