「しっかり洗っているのに頭皮のにおいが気になる」という方も多いのではないでしょうか。実は、においの原因は汚れではなく「洗いすぎ」にあるかもしれません。
本記事では、頭皮のにおいが発生するメカニズムやシャンプー成分の基礎知識、日常でできる正しいケアの方法について、健栄の薬局「みずき薬局上志津店」の薬剤師がわかりやすく解説します。
頭皮の臭い(におい)はなぜ起こるのか
頭皮は皮脂腺が多く集まっている部位であり、顔と同様に皮脂の分泌が活発な場所です。この分泌された皮脂自体は本来は無臭ですが、頭皮に存在する「皮膚常在菌」が皮脂や汗を分解して酸化させることで、独特の嫌なにおいへと変化します。
においが強くなる要因としては以下のことが挙げられます。
- 皮脂の過剰分泌
- 汗の分泌増加(特に気温が高い時期)
- シャンプーや整髪料の洗い残しや洗髪後の乾燥不足
- 加齢による皮脂の酸化(いわゆる「ミドル脂臭」)
- ストレスや睡眠不足による皮脂バランスの乱れ
- 洗浄力の強いシャンプーや洗いすぎによる乾燥
においが気になるからといって何度も洗ったり、強い洗浄力のシャンプーを使い続けたりすることが、頭皮が乾燥し、逆効果になるケースがあります。
頭皮のにおい対策では、「しっかり洗う」だけでなく、「洗いすぎない」「頭皮に合ったシャンプーを選ぶ」「きちんと乾かす」ことも大切です。
シャンプー成分の基礎知識

においケアに取り組む前に、シャンプーの成分についての基本を知っておくことが大切です。シャンプーは主に「界面活性剤」と呼ばれる洗浄成分を中心に構成されており、その種類によって洗浄力や頭皮への刺激が異なります。
高級アルコール系界面活性剤
市販のシャンプーに多く使われる成分で、洗浄力が高く泡立ちが良いのが特徴です。さっぱりとした洗い上がりが得られるのが特徴です。一方で、洗浄力が高いものもあり、皮脂を取りすぎてしまうことがあります。脂性肌の方には向いている場合もありますが、乾燥しやすい方や頭皮が敏感な方には刺激になることがあります。
アミノ酸系界面活性剤
髪や肌の成分に近いアミノ酸をもとにした洗浄成分で、比較的低刺激で頭皮に優しいとされています。洗浄力は穏やかなものが多いため、過剰な皮脂除去になりにくく、頭皮のバランスを整えやすい成分です。頭皮のにおいやフケにお悩みをもつ方に最もおすすめしたい洗浄成分です。
石けん系界面活性剤
天然の油脂をベースに作られた洗浄成分で、高い洗浄力を持ちながら、すっきりとした爽快な洗い上がりが特徴です。比較的頭皮に成分が残りにくい一方、髪のきしみや頭皮の乾燥が気になる方もいます。肌がデリケートなときや乾燥しやすい時期には注意が必要です。
臭い(におい)対策に注目したい成分
シャンプーのなかには、頭皮のにおいケアを目的とした成分を配合しているものもあります。
イソプロピルメチルフェノール
においのもととなる皮膚常在菌をしっかり殺菌し、不快な汗臭や皮脂臭が発生するのを防ぐ優れた抗菌成分です 。
グリチルリチン酸ジカリウム
甘草という植物から抽出される和漢成分で、優れた抗炎症作用を持ち、頭皮の炎症や赤みを防いで健やかな地肌の土台を整えます。
茶葉エキス・緑茶エキス
ポリフェノールの一種であるカテキンが抗菌・消臭効果をもつとされており、においケアを目的としたシャンプーに配合されることがあります。
頭皮のにおいが気になる人のための正しい洗い方

どれだけ頭皮に優しいシャンプーを選んでも、間違った洗い方を続けていてはにおいの改善にはつながりません。以下の4つの手順を意識して、丁寧なヘアケアを習慣にしましょう。
頭のにおい対策①:1分以上の丁寧な予洗いで汚れを浮かせる
シャンプーを髪につける前に、38℃から40℃のぬるま湯で1分以上かけて頭皮をしっかり流します。この予洗いの段階で、ほこりや汗、軽い皮脂汚れのほとんどを洗い流すことができます。
予洗いを十分に行うことでシャンプーの泡立ちが格段に良くなり、少ないシャンプーの量で頭皮に負担をかけずに優しく洗うことができます。
頭のにおい対策②:頭皮を「こする」のではなく「もみ洗い」する
シャンプーの原液を直接頭皮につけることは、部分的な強い刺激となるため避けてください。必ず手のひらで泡立ててから、頭皮全体に広げましょう。
洗うときは、爪を立てて頭皮を傷つけないように注意し、指の腹を使って頭皮を小刻みに動かしながらマッサージするように「もみ洗い」するのが基本です。強くこすりすぎると、頭皮を傷つけたり、乾燥やかゆみにつながったりすることがあります。
頭のにおい対策③:すすぎは十分に
シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しは、頭皮に残った成分が皮膚常在菌の栄養源となり、翌日の急激なにおいやかゆみを招く大きな要因となります。
すすぎにかける時間は、洗う時間の倍程度(約2分以上)を目安にし、耳の後ろや首筋の生え際など、洗い残しやすい部分も意識して完全に洗い流しましょう。
頭のにおい対策④:ドライヤーを使って根元から完全に乾かす
洗髪後は頭皮を湿ったまま放置しないことが重要です。タオルで頭皮の水分をやさしくしっかり吸い取ってから、ドライヤーを使って根元から乾かしましょう。半乾きのまま就寝することは菌の繁殖につながるため避けましょう。
においの改善に向けた生活習慣の見直し

頭皮のにおいは、シャンプーや洗い方だけでなく生活習慣とも深く関わっています。
揚げ物やラーメン、甘いお菓子などの脂質や糖質が多い偏った食事が続くと、皮脂の分泌量が増えてにおいの原料を増やしてしまいます。また、睡眠不足やストレスがたまると自律神経が乱れ、皮脂分泌を促す交感神経が刺激されてしまいます。
バランスの良い食事を心がけ、しっかりと睡眠時間を確保して、体内から自律神経と皮脂バランスを整えていくことも大切です。
また、帽子やヘルメットを長時間かぶる方、汗をかきやすい方は、ムレやすい環境にも注意しましょう。汗をかいた後は、可能な範囲で早めに拭き取る、帰宅後に洗髪するなど、日常の小さな工夫も頭皮ケアにつながります。
頭皮のにおい、薬局でも相談できます
「どのシャンプーを選べばよいかわからない」「頭皮のにおいが気になるが、何が原因かわからない」「フケやかゆみもあり、薬用シャンプーを使うべきか迷っている」という場合は、薬局への相談も選択肢のひとつです。
健栄の薬局では、頭皮のにおいやフケ・かゆみに対応したシャンプーや頭皮用ローションの選び方についてアドバイスを受けることができます。市販薬として販売されている薬用シャンプーについても、成分や使い方を含めて薬剤師がご説明します。
ただし、症状が続く場合や、フケや炎症をともなう場合は皮膚科への受診も大切です。「まず相談したい」という段階でも、お気軽にお近くの薬局へお声がけください。
正しいケアで、頭皮環境を整えましょう
頭皮のにおいは、洗いすぎや間違ったシャンプー選びが原因となっているケースがあります。においを根本から改善するためには、皮脂バランスを整えることを意識した洗い方と成分選びが重要です。
自分の頭皮の状態に合ったシャンプーを選び、正しい洗い方を習慣にすることで、においの悩みは少しずつ改善していきます。今日からできることをひとつずつ取り入れてみてください。
みずき薬局 上志津店
薬剤師
M.S