冷房が効いた室内と暑い屋外を行き来していると、「なんとなくだるい」「手足が冷える」「疲れが抜けない」と感じることはありませんか。
こうした寒暖差による体調の変化には、体温調節などに関わる自律神経の働きも関係していると考えられています。
そこで気になるのが、近年よく耳にする「サウナで自律神経が整う」という話です。本当にそうなのでしょうか。
今回は、サウナに入ったときに体に起こる変化や期待されている効果、無理なく安全に楽しむためのポイントを、健栄の薬局「健栄つが駅前薬局」の薬剤師の監修のもと解説します。
冷房病・寒暖差によるだるさと自律神経の関係

気温が高くなると、冷房の効いた室内と暑い屋外を行き来する機会が多くなります。
こうした急な温度変化が繰り返されると、体温を一定に保とうとして体のだるさ、手足の冷え、頭痛、肩こりなどを感じることがあります。
一般に「冷房病」「クーラー病」などと呼ばれることもありますが、正式な病名ではありません。
自律神経は体温調節をはじめ、心拍や血流、内臓の働きを調節しています。そのため、急激な温度変化などが続く環境では、体調に影響を感じる方もいます。

サウナが「自律神経」に働きかけるしくみ
サウナの高温環境に入ると、体は熱を逃がそうとして皮膚の血管を広げ、汗をかきます。このとき心拍数が増えるなど、体にはさまざまな変化が起こります。
そしてサウナから出て休憩すると、今度は体温や心拍数が徐々に戻っていきます。
サウナ浴後の回復期には、心拍変動の変化から、自律神経の活動に一時的な変化がみられることが研究で報告されています。このような変化から「サウナで自律神経が整う」と表現されることがあります。
ただし、ここは少し注意が必要です。
サウナに入れば自律神経の乱れが治る、あるいは冷房病や寒暖差による不調が改善する、とまで確認されているわけではありません。
この「温める→休む」という流れを繰り返すことで、自律神経を含めた体の働きに一時的な変化が起こると考えられています。
サウナで期待できる主な効果①:血行の促進
サウナで体が温まると血管が拡張し、全身の血流が活発になります。
冷房の効いた部屋で長時間過ごしたあとなどにサウナへ入り、「体が温まった」と感じる方もいるでしょう。
ただし、「冷え症や肩こりを治す」といった治療効果を目的として利用するものではありません。
サウナで期待できる主な効果②:リラックスや気分転換につながることも
サウナ後の外気浴では、「体が軽くなった」「頭がすっきりした」と感じる方もいます。好きな方にとっては、サウナでゆっくり過ごす時間そのものが気分転換になることもあるでしょう。
ただし、疲労が極端に強いときや体調不良のときのサウナは、かえって体への負担になることがあります。「疲れているからサウナへ行こう」ではなく、元気なときに無理なく楽しむことが大切です。
サウナで期待できる主な効果③:睡眠との関係も研究されています
サウナでは一時的に体温が上がり、その後ゆっくりと下がっていきます。
入浴などで就寝前に体を温めると、その後の熱放散によって深部体温が下がり、入眠しやすくなる可能性が報告されています。サウナを含む温熱刺激と睡眠との関係についても研究されていますが、「就寝前にサウナに入れば睡眠の質が高まる」とまでは言い切れません。
睡眠のために無理にサウナを利用するのではなく、自分が心地よく感じる範囲で楽しむことが大切です。
体調がよい日に、こんな楽しみ方も
冷房の効いた室内で過ごす時間が長かった日や、仕事や家事のあとに気分を切り替えたいとき。サウナやお風呂で体を温めることが好きな方なら、無理のない範囲でサウナを楽しむのも、ひとつの過ごし方です。
例えば、
- 冷房の効いた室内で過ごす時間が長く、体の冷えが気になる。
- 夏なのに手足が冷える
- 仕事や家事のあとに気分転換したい
- お風呂やサウナで体を温めることが好き
ただし、サウナは体調不良を治すためのものではありません。症状が強い場合や長引く場合は、「寒暖差のせいだろう」と決めつけず、医療機関への受診や薬剤師への相談を検討しましょう。
薬剤師が伝える、サウナを安全に楽しむためのポイント

サウナは高温の環境で汗をかくため、利用の仕方によっては体に負担がかかります。
サウナ室の温度や湿度、年齢、体調、暑さへの慣れ方などによって感じ方には個人差があります。「何分入る」「何セット行う」といった数字にこだわらず、その日の体調に合わせて無理なく楽しむことが大切です。
暑い、苦しい、動悸がする、めまいがするなどの異変を感じたら、我慢せずに退出しましょう。
水風呂についても、無理に入る必要はありません。冷たい水につかると血圧などが大きく変化することがあるため、体調に合わせて利用してください。
サウナ利用時は水分補給を忘れずに
サウナ中は大量の汗をかくため、脱水にも注意が必要です。
利用する前後にはこまめに水分をとり、一度に長時間利用しないようにしましょう。
また、飲酒後のサウナは避けてください。アルコールとサウナが重なることで、脱水や血圧の変化が起こりやすくなり、立ちくらみや体調不良につながることがあります。
発熱しているとき、体調が悪いとき、極端に疲れているときも、無理に利用せず体を休めましょう。
「薬を飲んでいるけれど、サウナに入っても大丈夫?」
ここは、薬局から特にお伝えしたいポイントです。
「自分はサウナに入っても大丈夫?」
「血圧の薬を飲んでいるけれど問題ない?」
「薬を飲んでいるときの水分補給はどうしたらいい?」
そんな疑問を持つ方もいるでしょう。
薬を飲んでいるからといって、必ずサウナに入れないというわけではありません。
ただし、サウナでは発汗によって体の水分が失われたり、血圧や心拍数が変化したりします。持病や服用している薬によっては、こうした変化に注意が必要な場合があります。
特に、高血圧や心疾患などで治療を受けている方は、体調や病状によって判断が異なります。無理をせず、気になる場合は事前に医師や薬剤師へ確認すると安心です。
服用している薬について気になる場合も、自己判断で薬を休んだり減らしたりしないでください。
薬局へ相談するときは、お薬手帳や服用している薬が分かるものをお持ちいただくと、薬剤師が確認しやすくなります。
サウナと合わせて意識したい日々の体調管理
サウナ単独で自律神経が整うわけではありません。
冷房による冷えや夏のだるさが気になるときは、普段の生活を整えることも大切です。
冷房は、設定温度の数字だけにこだわらず、室内で「寒い」と感じすぎないように調整しましょう。羽織るものを使ったり、冷風が直接体に当たらないようにしたりする工夫も役立ちます。
また、無理のない範囲で体を動かすことや、十分な睡眠をとることも、日々の体調管理につながります。
暑い時期は汗をかきやすく、食欲が落ちることもあるため、こまめな水分補給と、食事を抜かずにとることも意識しましょう。
サウナを楽しむときも、こうした日々の体調管理を基本に、自分の体調に合わせて取り入れていきましょう。
サウナや服用中の薬について気になるときは薬剤師に相談を

「自分はサウナに入っても大丈夫?」「どんな飲み物を持参すればよい?」「薬を飲んでいるけれどサウナは問題ない?」
こうした疑問がある場合は、ぜひ薬局の薬剤師にお気軽にご相談ください。服用中のお薬とサウナの関係や、水分補給で気をつけたいことなど、個別の状況に応じて、薬剤師が一緒に確認できます。
まとめ|サウナは体調に合わせて無理なく楽しみましょう
サウナに入ると、体温や心拍数、血流、自律神経の働きなどに一時的な変化が起こります。体が温まったり、リラックスしたり、気分転換になったと感じる方もいるでしょう。
ただし、サウナは冷房病や寒暖差によるだるさを治すものではありません。不調を改善するために無理に利用するのではなく、体調がよいときに楽しむものとして取り入れることが大切です。
また、サウナは高温の環境で汗をかくため、脱水や血圧の変化などにも注意が必要です。「何分入る」「何セット行う」といった数字にこだわらず、水分をとりながら、その日の体調に合わせて無理なく楽しみましょう。
持病がある方や薬を服用している方は、「自分はサウナに入っても大丈夫かな」と気になることもあるかもしれません。そんなときは自己判断で薬を休んだりせず、医師や薬剤師に確認してください。
薬局では、処方された薬だけでなく、服用中の薬と入浴や運動、水分補給など日常生活との関わりについても相談できます。 気になることがあれば、薬剤師に相談してみてください。
<外部サイト参照リスト>
サウナー必見! サウナのメリット、デメリットとは(サワイ健康推進課)
https://kenko.sawai.co.jp/healthy/202307.html
サウナ浴での事故に注意 ― 体調に合わせて無理せず安全に ―(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/038208/
サウナ・スパ健康法(公益社団法人 日本サウナ・スパ協会)
https://sauna.or.jp/assets/images/WA_text.pdf
健栄 つが駅前薬局
薬剤師
スタッフ