おむつを替えたとき、赤ちゃんのおしりが赤くなっていて、「また、かぶれてる……」と心配になったことはありませんか?
9月に入っても、まだまだ暑い日が続きます。
汗や蒸れが加わり、おむつの中はいつも以上に高温多湿になりがちです。そこへ尿や便、おしりふきやおむつによる摩擦などが重なると、デリケートな赤ちゃんの肌には負担になります。
一度きれいになったのに、しばらくするとまた赤くなる。そんなときは、薬を塗る前に、毎日のおむつ替えを少し見直してみることも大切です。
基本になるのは、「清潔に保つ」「蒸れや摩擦を減らす」「肌を保護する」の3つ。
今回は、健栄の薬局「めぐみ薬局 津田沼店」の薬剤師が、子育て経験者としての目線も交えながら、毎日のおむつ替えで取り入れやすいケアをお伝えします。
暑い時期に赤ちゃんのおむつかぶれが起こりやすい理由

赤ちゃんの皮膚は大人に比べて薄く、刺激の影響を受けやすいのが特徴です。
おむつの中では、尿や便だけでなく、汗や蒸れ、拭くときの摩擦など、いくつもの刺激が重なります。特に暑い時期は汗をかきやすく、おむつの中に湿気もこもりがちです。
だからといって、一日中おしりを気にしているわけにもいきません。
大切なのは、完璧に防ごうとすることではなく、いつものおむつ替えで肌への刺激を少し減らすことです。
おむつかぶれ防止の基本ケア①:汚れを残さず、やさしく清潔に

おしっこやうんちに気づいたら、できるだけ早めにおむつを交換しましょう。
特にうんちの後は、汚れをしっかり落としたくて、つい何度もおしりふきでこすってしまうことがあります。
でも、赤ちゃんの肌には、この「何度も拭く」こと自体が刺激になる場合があります。
可能であればぬるま湯でやさしく洗い流しましょう。おしりふきを使うときはゴシゴシせず、汚れを浮かせるようにやさしく押さえて拭き取ります。
「きれいにしなくては」と頑張りすぎて、かえって肌をこすってしまわないことも大切なポイントです。
おむつかぶれを防ぐ基本ケア②:きれいにしたら「蒸れ・摩擦を減らす」
おしりを清潔にした後は、肌に残った水分をやさしく取り、乾いてからおむつを着けましょう。
肌に水分が残ったままだと蒸れやすくなるため、やわらかいタオルやガーゼで軽く押さえるように水分を取ります。おむつ替えの間に少し空気に触れさせるだけでも構いません。
そして、意外と見落としやすいのがおむつのサイズです。
赤ちゃんはどんどん成長します。「まだこのサイズで大丈夫」と思っていても、ウエストや足まわりにくっきり跡がつくようなら、少し窮屈になっているかもしれません。
小さすぎれば摩擦や蒸れにつながりやすく、大きすぎれば尿や便が漏れて肌に触れることもあります。
赤ちゃんの成長に合わせて、ときどきサイズも見直してみましょう。
おむつかぶれ防止の基本ケア③:ワセリンで尿や便の刺激から肌を守る

おむつかぶれを予防するためには、肌を清潔で乾いた状態に保つだけでなく、外部からの刺激を受けにくいよう保護することも大切です。そこで使われることがあるのがワセリンです。
ワセリンは肌表面を覆って保護する目的で使われる製剤です。白色ワセリンは医薬品としても皮膚保護剤としても使用されています。
おむつまわりでは、尿や便などが肌へ直接触れる刺激を減らすために使うことがあります。使うときは、おしりをきれいにして水分を取ってから、肌をこすらず、表面を覆うように塗ります。
ただし、ここで覚えておきたいことがあります。
ワセリンには、赤くなった皮膚の炎症そのものを抑える作用はありません。
「おむつかぶれには、とりあえずワセリン」と考えるのではなく、赤みやただれなど、今の肌の状態を確認することが大切です。
「いつものおむつかぶれ」と思っていても、少し様子が違うことがあります
おしりが赤ければ、すべて同じ「おむつかぶれ」とは限りません。
例えば、次のような様子が見られる場合には注意が必要です。
- 赤みがどんどん強くなる、急速に広がる
- ただれたり、ジュクジュクしたりしている
- 水ぶくれや膿が見られる
- 赤いブツブツが周囲へ広がってきた
- 触れると強く嫌がったり痛がったりする
- 発熱がある、元気がない
- ケアを続けてもなかなかよくならない
このような場合は、「もう少しワセリンで様子を見よう」と自己判断でケアを続けず、小児科や皮膚科に相談しましょう。
おむつの中に起こる皮膚トラブルには、刺激によるものだけでなく、感染など別の原因が関係している場合もあります。家庭だけでは判断しにくいため、気になる症状があるときは医師に相談してください。
「何を塗ればいい?」と迷ったときこそ、薬局へ
薬局では、おむつかぶれについて次のような相談を受けることがあります。
「ワセリンを塗っておけば大丈夫?」
「家に前にもらった塗り薬があるけど使っていい?」
「市販のクリームを買った方がいい?」
「このくらいの赤みなら病院に行かなくても大丈夫?」
おむつかぶれの相談で大切なのは、商品を一つ選ぶことだけではありません。
- いつから赤くなったのか。
- どのくらい広がっているのか。
- ジュクジュクしていないか。
- 今まで何を塗っていたのか。
こうした点を一緒に確認しながら、家庭でのスキンケアや市販薬を検討できる状態なのか、医療機関への受診を優先した方がよい状態なのか、その目安を一緒に整理します。
市販薬は、商品によって対象年齢や使用できる部位などが異なります。自己判断で選ばず、購入前に薬剤師へご相談ください。
また、以前処方された塗り薬が残っていても、今回も同じ症状とは限りません。自己判断で使う前に、薬剤師や医師へ確認してください。
薬の名前が分からない場合は、チューブや容器、薬の説明書などをお持ちいただくと、確認の手がかりになります。
毎日のおむつ替えだから、頑張りすぎないことも大切
おむつは、一日に何度も替えるものです。
「こまめに交換して、やさしく洗って、よく乾かして……」
そう言われても、毎回完璧にするのは大変ですよね。
だからこそ、全部を一度に変えなくても大丈夫です。
今日はゴシゴシ拭かない。
おむつをつける前に、少しだけ乾かしてみる。
サイズが合っているか見直してみる。
そんな小さなことから始めてみてください。
そして、「いつものかぶれと少し違う」「何を塗ったらいいのか分からない」と感じたときは、無理に家庭だけで判断する必要はありません。
赤ちゃんのおしりのケアや、ワセリン・塗り薬の使い方で迷ったときは、お近くの健栄の薬局で薬剤師にご確認ください。
<参考文献>
- Blume-Peytavi U, et al.「Prevention of diaper dermatitis in infants—A literature review」Pediatric Dermatology, 2014;31(4):413–429.
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「日本薬局方 白色ワセリン」
- American Academy of Dermatology Association「How to treat diaper rash」
めぐみ薬局 津田沼店
薬剤師