「目がゴロゴロする」「充血しやすい」「いつもよりまぶしく感じる」
このような目の不調を感じることはありませんか。
目のゴロゴロ感には、ドライアイやアレルギー、異物、コンタクトレンズによる刺激など、さまざまな原因があります。その一つとして、海や屋外スポーツなどで強い紫外線を長時間浴びたあとに起こる、いわゆる「目の日焼け」があります。
一般に「目の日焼け」と呼ばれる状態の代表が、紫外線によって角膜に炎症が起こる「紫外線角膜炎」です。
今回は、目の日焼けの症状や起こりやすい場面、日常でできる紫外線対策、眼科を受診したい症状について、健栄の薬局『健栄さくら台薬局』の薬剤師が解説します。
目の日焼けとは?紫外線角膜炎との関係
「日焼け」というと肌のことをイメージする方が多いですが、目も紫外線によって影響を受けることがあります。
強い紫外線を浴びることで、角膜に急性の炎症が起こった状態を「紫外線角膜炎」といいます。結膜の充血を伴うこともあるため、「紫外線角結膜炎」と表現される場合もあります。
紫外線は真夏だけのものではありません。日差しの強い時期はもちろん、アスファルトや水面、砂浜などから反射した紫外線も目に入ることがあります。
紫外線角膜炎は、雪面からの強い照り返しによって起こる「雪目」がよく知られていますが、海や砂浜、水辺、高地など紫外線の反射が強い環境でも発症することがあるため注意が必要です。
また、紫外線角膜炎の症状は、紫外線を浴びた直後ではなく、数時間後から夜間、翌朝にかけて症状が現れることがあります。そのため、目の症状と昼間の屋外活動が結びつかない場合もあります。
目の日焼けで現れる主な症状

紫外線角膜炎では、次のような症状が現れることがあります。
- 目のゴロゴロする(異物感)
- 充血
- 目のかすみ、見えにくさ
- まぶしさを強く感じる
- 涙が止まらない
- 目の痛み
症状の程度には個人差があります。強い紫外線を浴びたあとに、目を開けていられないほどの痛みやまぶしさが現れた場合は、早めに眼科を受診してください。
一方、目のゴロゴロ感だけで、「目の日焼け」と判断することはできません。
目の異物感や充血は、次のような場合にも起こります。
- ドライアイ
- 目にごみや砂が入った
- アレルギー性結膜炎
- 細菌やウイルスによる結膜炎
- コンタクトレンズによる角膜障害
- まつ毛やまぶたの異常
目やにが多い、片目だけに強い症状がある、コンタクトレンズの使用中に痛みが出たといった場合は、紫外線以外の原因も考えられます。
日本眼科学会も、目のゴロゴロ感には異物、角膜・結膜の炎症、ドライアイ、コンタクトレンズなどの多くの原因があり、症状が続く場合は眼科への相談が必要としています。
目が紫外線の影響を受けやすい場面

特に次のような環境や場面では注意が必要です。
- 海やプールなど水辺での活動
- 砂浜や雪山など照り返しが強い場所
- 高地でのレジャー
- 屋外でのスポーツや長時間の作業
- 日差しの強い時間帯の外出
- 曇りの日の屋外(紫外線は曇天でも地表に届きます)
- 溶接作業など強い人工紫外線を扱う場面
特に水面や砂浜では、上から直接届く紫外線に加えて、反射した紫外線も目に入ります。
また、「曇っているから大丈夫」と思いがちですが、曇りの日でも紫外線は地表に届いています。薄曇りの日でも、屋外で長時間過ごすときは対策を心がけましょう。
目に入る紫外線を減らす方法
目に入る紫外線を減らす方法①:UVカット機能のある眼鏡やサングラスを選ぶ
サングラスを選ぶ際は、レンズの色の濃さだけでなく、UVカット機能があるかも確認しましょう。商品に表示されている「紫外線カット率」や「紫外線透過率」などが目安になります。レンズの色が薄いものや透明な眼鏡でも、UVカット機能があれば紫外線対策に使用できます。
また、紫外線はレンズの横や上下からも入ります。顔の幅に合い、目の周囲を広く覆う形状のものを選びましょう。
目に入る紫外線を減らす方法②:帽子や日陰も組み合わせる
帽子、特につばの広い帽子を着用することで、上方向から直接入る日差しを減らせます。ただし、帽子だけでは水面や地面からの照り返しを十分に防げないことがあります。照り返しの強い場所では、UVカット機能のある眼鏡やサングラスと帽子を組み合わせて活用しましょう。
環境省も、日陰の利用、帽子、サングラスなどを日常生活に取り入れやすい紫外線対策として紹介しています。
目に入る紫外線を減らす方法③:UVインデックスを外出の参考にする
気象庁では、地域ごとのUVインデックスの予測や解析情報を公開しています。
屋外でスポーツやレジャーを予定している日は、天気だけでなく紫外線情報も確認すると、対策を考える目安になります。
目がゴロゴロするときの対処法
目がゴロゴロするときの対処法①:目をこすらず休ませる
すでに目がゴロゴロしたり充血したりしている場合は、まず目を休めることが基本です。
異物や角膜の傷がある場合は、こすることで症状が悪化する可能性があります。
まぶしさや痛みがある場合は、明るすぎない場所で目を休ませ、スマートフォン、パソコンの画面を見る時間を減らしましょう。
冷たいタオルなどで目のまわりを穏やかに冷やすことで、不快感が和らぐ場合があります。ただし、目を強く押したり、タオルを眼球にこすりつけたりしないでください。
目がゴロゴロするときの対処法②:コンタクトレンズの使用を中止する
コンタクトレンズを装用している場合は、無理に使い続けず、外して眼鏡に替えましょう。
コンタクトレンズによる不快感や異物感のほか、感染性角膜炎などでも、痛み・充血・目やに・視力低下が起こることがあります。
レンズが外れない、外した後も痛みや充血が続く、見えにくいといった場合は、早めに眼科を受診してください。
目がゴロゴロするときの対処法③:目薬は症状に合わせて選ぶ
乾燥による軽いゴロゴロ感には、人工涙液タイプの目薬を使用する場合があります。
ただし、目薬にはさまざまな種類があり、症状やコンタクトレンズの使用状況によって適する製品が異なります。コンタクトレンズを装用したままで使用できない目薬もあるため、購入前に表示や添付文書を確認しましょう。
強い紫外線を浴びたあとに痛みやまぶしさがある場合や、見え方に変化がある場合は、市販の目薬だけで様子を見ず、眼科を受診してください。
「充血を取る目薬を使えばよい」「抗菌目薬を使えばよい」と自己判断せず、薬剤師や眼科医に相談しましょう。
早めに眼科を受診したい症状
次のような場合は、市販の目薬だけで様子を見ず、眼科へ相談してください。
- 強い目の痛みがある
- 目を開けていられないほどまぶしい
- 見えにくい、かすむなど視力に変化がある
- 充血や涙が強い
- 目やにが多い
- 異物が入った可能性がある
- 片目だけに強い症状がある
- コンタクトレンズ使用中に痛みや充血が出た
- 症状が改善しない、または何度も繰り返す
紫外線角膜炎の多くは短期間で改善するとされていますが、症状だけでほかの病気と区別することはできません。特に痛みや見え方の変化がある場合は、早めの眼科受診が大切です。
長期的な目の健康維持のためにも紫外線対策を
強い紫外線による急性症状だけでなく、長年にわたって紫外線を多く浴びることは、白内障や翼状片(目の表面に膜が張る状態)などのリスクと関係するとされています。
目の健康を長期的に守るためには、夏だけでなく一年を通じて紫外線対策を意識することが大切です。
通勤や買い物、散歩など日常の外出時にも、UVカット機能のある眼鏡やサングラス、つばの広い帽子、日陰などを状況に応じて取り入れましょう。
ただし、紫外線を気にして屋外での活動を控える必要はありません。無理なく続けられる方法を組み合わせることがポイントです。
目薬の選び方は薬剤師へ、強い症状は眼科へ
「どの目薬を使えばよいかわからない」「コンタクトレンズ使用中でも使える目薬を知りたい」といった目薬選びについては薬局でもご相談いただけます。
ただし、強い痛みやまぶしさ、充血、見え方の変化がある場合は、目薬だけで様子を見ず、眼科を受診してください。
目の乾燥や軽いゴロゴロ感、目薬選びで迷ったときは、お近くの健栄の薬局で薬剤師へご相談ください。症状やコンタクトレンズの使用状況を伺い、市販の目薬選びをお手伝いするとともに、必要に応じて眼科受診の目安をご案内します。
<参考文献>
公益財団法人日本眼科学会「『ゴロゴロする(異物感)』原因と考えられている病気一覧」
健栄 さくら台薬局
薬剤師
佐藤